JALやANA 2016年4月から燃油サーチャージがようやく廃止 今後の動向は?
JALやANAの国内航空会社の国際線の燃油サーチャージがようやく廃止になりそうです。原油相場が下がり、ガソリン価格も下がってきましたが、なかなか燃油サーチャージが廃止にならないと不満の人も多かったはず。
JALやANAは原油安の影響や訪日外国人の急増で好業績が続いていますからね。正直「いつまで続ける気?」という感じでした。
ようやく廃止になる見込みの燃油サーチャージ。今後の動向も含めていろいろ調べてみました。
燃油サーチャージの廃止はなんと6年半ぶり
2016年4月以降ようやくJALやANAの国際線の燃油サーチャージが廃止になる見込みです。燃油サーチャージの廃止はなんと6年半ぶり!
6年半前いえば、平成21年9月です。リーマンショックなどの影響によって世界経済が冷え込んだ時からですからね。その後はご承知のように燃油サーチャージはうなぎ登りのように上昇!近距離はアジア便なら負担はまだましですが、ヨーロッパやアメリカに行くにはびっくりするような燃油サーチャージが加算されてきましたからね。
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燃油サージが廃止になる条件
JALやANAの規定によると、国内発券分にかかる燃油サーチャージは、シンガポールケロシン市況の直近2カ月が平均価格が1バレル=6千円を下回ればゼロつまり、廃止になります。ニューヨークの原油価格ではないので、なかなか現在の数字がつかみにくいのですが、シンガポールケロシン市況も当然近頃はずっと安値が続いていました。
海外発券分は燃油サーチャージはすでに廃止されていた
今回燃油サーチャージの廃止の見込みなのですが、それはあくまでも国内発券分。日本から海外へという形です。実は海外発券分はすでに燃油サーチャージがゼロで廃止となっていたのです。
原油安のニュースが流れていて、「何で燃油サーチャージが無料にならないんだろう?」と疑問に思っていた人も多かったと思います。これ以前はシンガポールケロシン市況が○○ドルになったらという基準がいつの間にか○○円になったらなんて変更がされていたからです。
海外発券分はドル建てで考えるので、すでに燃油サーチャージは昨年12月に廃止されていたのです。当然ですね、原油自体が安いわけですから燃油サーチャージを徴収する理由がありません。
消費者は為替リスクを背負わされていた
では、なぜ国内発券分は燃油サーチャージが廃止にならなかったかというと円安の影響です。今までドルベースで考えていたのが、いつの間にか円ベースに変更されていました。
でも燃料なんて国際的な取引が多いだろうし、当然ドルで取引がされます。だから以前はドルベースでの規定だった。それが円ベースに変わったということ。つまり通常の企業が自ら負担する為替のリスクを消費者に負わせたという形です。
まあ、「為替が変動すれば価格に転嫁するだけ」という考え方もあるでしょうが、今度急激な円高にでもなったら、再びドル建ての基準になったりしたら納得できませんよね? 円高になる時は注意してみておかなければなりません。
燃油サーチャージの廃止は4月発券からの見込み
燃油サーチャージの廃止が4月からなのですが、注意が必要なのは4月から搭乗するフライトが燃油サーチャージ無料になるのではなく、4月から発券するフライトが燃油サーチャージが廃止になる予定です。
また正式発表ではなく、あくまでも見込みということ。今後1か月ほどで原油価格が急騰すれば規定の数字である1バレル=6千円上回るかもしれません。まあ、今の国政情勢を見てみるととても原油価格が急騰するなんてありえないでしょうけど。
燃油サーチャージの今後の動向は?
4月以降に廃止となる見込みの燃油サーチャージですが、できれば未来永劫に支払いたくないですよね。特に欧米などへ行く人は航空券の総額にかなりの違いが出てきますからね。では、今後の燃油サーチャージの動向はどうなんでしょう?
まず原油価格に深く影響する中東情勢ですが、今後の動向も明るくありません。シリア内戦の和平交渉も予想通り難航しています。難民の問題もありますし、中東以外ではテロの問題もあります。世界を揺るがすようなテロがあれば世界経済にも当然影響しそうです。
さらに中国経済の減速も見逃せません。中国経済の減速は世界経済に大きな影響があります。経済が活性化しなければ、なかなか原油高というわけにもならないでしょう。したがって今後の燃油サーチャージの動向もこのままゼロのまま、または安いし順で動くのではないかと予想されます。
ただ実需以上に取引がより価格を左右するので、金利が安くなっている現状、資金の行き場が原油相場に影響する可能性はなくもないですが。
円相場はどうなる?
原油相場とあわせて燃油サーチャージに影響するのが円相場です。現在は120円台の円安から一転して円高へと向かうという気配があります。
日銀の黒田総裁がマイナス金利を発表して、いったんは円相場は円安基調になりました。しかし効果はほんの数日ですぐに円高基調へ。今後も政府や日銀も円高への警戒をし、対策を立ててくるでしょうがトレンドとしては円高基調でしょうか。つまり円建てで考えている国内航空会社の燃油サーチャージの規定で考えると、今後も燃油サーチャージが廃止、もしくは低い水準が維持される可能性が高いといえるでしょう。
追記:JAL、ANAとも2016年4月からの燃油サーチャージの廃止を正式発表しました。
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