中国の道路をまたいで走るバスは渋滞解消の切り札になるか? 社会主義国家らしからぬ緩い規制
以前中国である変わったバスの構想が話題となりました。まるでアニメの世界の空想のようなバスでした。
日本での多くの反応は、「事故が怖い」というものでした。とても日本では安全性の懸念から実用化は不可能だと考えられていましたが、なんと中国はこのバスを実車化し、テスト走行まで今後行うことになっています。
ある意味すごい行動力というか^^;
人口が桁違いに多い中国は、北京、上海、広州などの巨大都市以外でも人があふれています。ですから、このバスが実用化すれば、バスの混雑緩和や渋滞解消の切り札になる可能性があります。
果たしてこのバスが街を駆け巡るときはやってくるのでしょうか?
「車を食うバス」は実用化するか?
中国でまさかの実車化された風変わりなバスですが、車体の下部がトンネルのようになっていて、乗用車がその中を通る仕組みになっています。
ただ、その高さですが、たった約2.1m。背の高い人なら届きそうな高さですし、車高が高い車なら、当たってしまう可能性もあります。
どうせ造るなら、もっとスペースを大きくすれば良いと思うのですが、日本でいうと、電車の線路の狭い高架下ぐらいしかなさそうです。
狭い高架下は、ただでさえドライバーも走っていてヒヤッとする機会が少なくないはず。それが車食いバスならなおさらですし、さらにバスに食べるれるような姿は、恐ろしそうな光景です。
このバス、日本だと危険すぎて絶対に国土交通省などが認めません。東京などは都市が過密でパンク状態で、大量客を輸送する手段は大事ですが、それでもこれは大量の人の命を奪う可能性があります。
中国はとてつもなく人口が多いから、ちょっとぐらい人が亡くなろうと、中国政府にとっては全く構わないのかもしれませんが^^;
SPONSORED LINK
中国は社会主義国家らしからぬ規制の緩さ
中国といえば、社会主義の国。ですから、本来は私有財産は持つことができず、貧富の差も少ないはずなのですが、実態は全く異なります。
上海などの沿岸部で暮らす人の中では、外資系企業等に務め、年収が数千万円という人ももはや珍しくなくなっています。また給料だけでなく、株などで儲けた人もたくさんいるでしょう。
一方、農村などでは、昔から所得もそれほど変わらず、以前と変わらないような生活水準の人たちもまだまだいます。日本では近年貧困層が増え、格差が問題視されています。
しかし、中国の格差は、日本よりもはるかに大きなものです。特区のように一定の都市だけが開放都市として、自由主義経済が認められていますが、そのような都市はとても社会主義国家にはみえません。
むしろ日本の方が、規制も多く社会主義のようにみえます。日本は世界で唯一「社会主義が成功した国」なんて言う人もいるぐらいですから。
そんな中国ですから、日本では認められないような、ちょっと危なそうなものが、公に存在しているのです。
連結バス
中国でも、人が多い大都会などではBRTで高架を走り、安全性が確保されていますが、田舎では同じタイプの連結バスが、堂々と公道を走っています。
BRTと同型の大型連接バスは杓袁村から鄭州駅までの通常路線バスでも用いられています。杓袁はなんにもないですがNHKに出てくる中国内陸の町そのまんまみたいな雰囲気を堪能できるのでオススメです。 pic.twitter.com/ctYePdM8Ju
— にしむら 帰郷中 (@Nishimuraumiush) March 31, 2014
車長が長いため、人などを巻き込む危険性があると思うのですが、お構い無しです。それよりも効率優先、大量輸送を優先ということでしょうか。
中国では、まだ車が人を優先するなんてことはなく、注意しないと命を落としかねません。
日本でもBRTは一部導入されていますが、連結バスが公道を走ることは、たとえ人が少ない田舎町でもなさそうです。中国の規制は緩いです。
寝台バス
中国の長距離移動で、もはや欠かせないものとなっているのが、「寝台バス」です。日本では列車の寝台車がありますが、このような寝台バスは規制によって走ることができません。
中国の長距離寝台バス pic.twitter.com/tqCx1nUVuV
— 単発くん (@tanpatu) January 16, 2016
中国にも、列車の寝台車はあるのですが、人口の多さや列車本数の少なさから、なかなか切符を確保することができません。また、ちょっと割高でもあり、庶民にとっては高嶺の花ともいえます。
しかし、この長距離の寝台バスは、グッと格安。しかも夜行バスを横になって移動できるわけですから、快適性は高いです。私も何度か乗車したこともありますが、座席のバスよりもはるかに楽です。
ただ、このバス事故があったら、人が窓から飛んでいきそうな感じもします。また、通路が狭いためバスが火災にでもなったら、それこそ迅速な避難が難しそうな感じです。
安全性がちょっと不安なバスですから、同タイプのバスは日本では認められていません。今後も走るかどうかは難しいかもしれません。
しかし、中国はこのバスが夜のバスの主役。全国を縦横無尽にたくさんの寝台バスが走っています。中国の規制は日本と比べてはるかに緩い。
そして、この寝台バスは、中国だけでなく、近隣の東南アジアなどにかなり輸出されています。タイやベトナムでも、このタイプのバスが普通に走っているようになっています。
そんな中国ですから、道路をまたいで走る「車食いバス」も案外、早期に実用化するかもしれません。怖くてとても乗りたいとは思いませんが、今後の動向が気になります。
SPONSORED LINK