夏の朝型勤務ってどうなの? 残業は減る?デメリットは?

早朝イメージ

 

7月から8月にかけて国家公務員の始業時間を通常より1時間~2時間早める「朝型勤務」が導入されます。

政府は朝型勤務の導入により、仕事を前倒しで進めることによって退庁時間を早めることが期待してこの制度を導入します。

確かにこの制度によって帰宅が早くなれば、その分家族との時間を過ごせたり、自分の趣味の時間に費やしたりとワークライフバランスの実現が期待できます。

この新制度の朝型勤務が今後公務員だけでなく一般企業まで広く浸透するのか?その問題点などを探ってみました。

 

朝型勤務の企業の導入例

 

朝型勤務は一部の企業ですでに導入がされています。その例としては大手商社の伊藤忠商事。

伊藤忠商事では、国内の本社、支社、支店勤務の正社員約2600人を対象に午前5時~9時までの間に働いた時間の賃金を高く設定したり、午後8時以降の残業を原則禁止(同10時以降は禁止)することによって朝型勤務を推進してきました。

 

気になる伊藤忠商事の朝型勤務の効果ですが、昨年の5月の運用開始から、

  • 時間外勤務が、総合職で月約4時間、事務職で同約2時間減った。
  • 時間外手当の支給額が、早朝割増を含めても約7%減った。

という良い効果が表れています。

 

この結果だけを見ると、国家公務員への朝型勤務の導入→広く一般企業へ浸透と行きそうにも見えるが、そう簡単には導入が進むかは疑問があります。

 

伊藤忠商事が朝型勤務導入がある程度の成果を上げたのも、伊藤忠商事のような超優良企業ゆえに意識の高い社員が多いのも一つの一因かもしれません。

何せ近年では“早朝を有効活用する”たぐいの様々な著書が出版されています。また、“朝活”など業務以外に自己啓発に励む意識の高い人が増えているのも見逃せませんね。

さらに、伊藤忠商事が導入に当たって、朝8時前に始業した社員には、バナナやヨーグルトなどの軽食を無料で振る舞ったり、社内にある託児所の開所を1時間早めたりしたことによる支援も成功の大きな要因になったといえるでしょう。

 

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一般の企業への浸透を妨げる朝型勤務のデメリット 子育て世代の場合

 

朝型勤務によって早く会社が終わり、私生活が充実すれば特に独身者などは良い面が多いかもしれません。

しかし、これが子育て世帯となると大きな問題があります。

それは、保育所の問題です。

朝型勤務が増えれば、当然共働き家庭の早朝からの保育への需要が増えます。

そうすれば現在のところ、午前7時開所が多い認定保育所でも開所時間を1時間~2時間早める必要性がでてくるでしょう。ただこれは簡単にはいきません。なぜなら現在保育所はどこも人出不足だからです。

また、夏季だけの制度となると制約もあり、なかなか新たな求人が難しいということもあるでしょう。その結果、今いる保育士さんが早朝から勤務し、終わる時間も従来と一緒なんて事態も起こりえますね。

朝型勤務の導入の理由に、慢性化する長時間労働の是正があります。しかし朝型勤務の導入によって、皮肉にも保育士さんの長時間労働につながるなんてこともありえます。

 

一般の企業への浸透を妨げる朝型勤務のデメリット 遠隔地通勤者の場合

朝型勤務の導入によってデメリットを感じるのは、遠隔地からの通勤者がいます。首都圏近郊ですと1時間勤務なんて当たり前。中には2時間以上かけて会社まで通勤をするなんてことも珍しくありません。

従来の就業時間でさえ、始発のバスを使って通勤していたのに、朝型勤務が導入されれば“通勤の足”がないなんてこともありえます。

さらに遠隔地通勤と子育て世代という条件が重なれば、いったい保育所に何時に子供を連れて行かなければならないの?という感じで、朝早くに起きなければいけなくなる子供も大変です。

 

まとめとヒロの一言

政府の導入する朝型勤務が広く民間まで導入するかは微妙ですね。時間の有効活用というメリットも大きいのですが、デメリットも多いですね。

企業によっては、朝型勤務を導入したことによってさらに仕事が増えた。その結果、早朝出勤したにもかかわらず、帰る時間は一緒なんて笑えない結果もあるかもしれません。

また、朝型勤務によって、早起きをしなければなりません。今までの睡眠時間を確保するためには、早く寝ることが必要です。しかし日ごろ夜遅くに寝る習慣がついている人が、その習慣を変えるのは容易ではありません。

朝型勤務によって寝不足になり、仕事の能率が悪くなる。眠いため自分の時間を楽しむこともなかなかできないない。おまけに不健康な人が多くなり医療費が増えたら政府はどうすんでしょうかね。

 

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