残業147時間でJCBが書類送検 残業月何時間までならOK?

残業イメージ

 

クレジットカード大手「ジェーシービー」(東京都港区)が昨年、本社勤務の社員7人に違法な時間外労働をさせたとして、東京労働局三田労働基準監督署は19日に同社と取締役ら4人ら、労働基準法違反の疑いで東京地検に書類送検しました。

 

クレジットカード大手会社で行われた違法な行為。これまでこのような“ブラック企業ぶり”は、飲食などのサービス業や中小零細企業に多かったのですが、JCBのような優良企業と思われるところでもやっていたとは。

 

残業時間が問題になるので、サービス残業としている会社もたくさんありそうなので、このような現象は氷山の一角もしれません。それにしても日本はこのような違法行為が多いです。

 

今回は、月の残業時間についていろいろ調べてみました。いったいどれぐらいの時間の残業なら違法にならないのでしょうか?

 

 

 

労働基準法の原則

 

労働基準法では、1日8時間、週に40時間を超える労働は原則として認められていません。残業は基本的にはこの原則に反するのです。

 

気軽に上司が、「残業してくれない?」というのは、たとえば1日8時間勤務で週に5日ほど働く会社であれば、この労働基準法の原則に反するはずです。

 

残業代を払えば良いのではという考えを持っている人が多いと思いますが、残業代の有無にかかわらず本来の労働時間の原則はこのようになっています。

 

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残業ができるのはなぜ?

 

労働基準法の原則といっても、実際は多くの会社で残業が行われていますよね?では労働基準法の規定にも関わらずなぜ残業は許されるのでしょうか?

 

労働基準法36条という規定があります。

労働基準法第36条(時間外及び休日の労働)抜粋
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間又は前条の休日に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、1日について2時間を超えてはならない。

 

難しい言葉が使われているのでわかりにくいかもしれませんが、要するに労働者を法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて(延長して)労働させる場合や、休日に(1週1回または4週を通じて4回を下回って)労働させる場合には、あらかじめ労働組合(労働組合がない場合には労働者の代表)と使用者で書面による協定を締結しておかなければならないということ。

 

会社と労働者の話し合いで労使協定が結ばれればその協定の範囲内で残業させる事が認めらるわけです。

 

この協定を条文の36条から「サブロク協定」と呼びます。聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

 

サブロク協定はただ労働者側と使用者で協定を結ぶだけではなく、締結した協定を労働基準監督署に届出をしなければなりません。届出をすることによって協定で定められた範囲内の残業が労働基準法違反ではなくなることになります。

 

協定で月何時間でも残業が許されるの?

 

では協定を結べば月何時間でも残業が許されるのでしょうか?今回のJCBは月147時間の残業が明るみになりましたが、サブロク協定の範囲だったのでしょうか?

 

JCBの例は明らかにサブロク協定で定められた時間を超えています。なぜならサブロク協定で定めることができる残業も、いくらでもできるわけではなく、その限度が定められているからです。

 

残業ができる条件は以下のように定められています。

期間
1週間
2週間
4週間
1カ月
2ヶ月
3ヵ月
1年
時間数 15 27 43 45 81 120 360

 

1か月というと45時間が限度です。つまりJCBの例は、月の限度である45時間をはるかに超えて残業が行われていたわけです。それも超過が100時間を超えるほどですから、書類送検になるのも仕方のないことですね。

 

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