米トランス脂肪酸を全廃　トランス脂肪酸って何だ？

 

米食品医薬品局（ＦＤＡ）は6月１６日、食用油などに含まれ、肥満や心臓病との関連が指摘されるトランス脂肪酸を、3年後の２０１８年６月までに食品添加物から全廃すると発表しました。

 

日頃食品添加物を気にしている人でも、トランス脂肪酸についてはあまり知らない人も多いのではないでしょうか。

 

日本ではトランス脂肪酸の表示義務もありませんし、包有量に関する基準もありませんからトランス脂肪酸の知名度が低いのも仕方がないことです。

 

今回はこの知られざるトランス脂肪酸について掘り下げてみたいと思います。

 

 

トランス脂肪酸って何？

 

トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で天然でできるものと油脂の加工・精製でできるものがあります。天然でできるものは主に牛肉や乳製品などに見られますが微量のため特に問題ではありません。

 

問題なのは油脂の加工・精製でできるトランス脂肪酸です。

 

トランス脂肪酸を取りすぎると体への悪影響が懸念されています。そのため今回のアメリカの措置がありますし、多くの国では何らかの規制が行われています。

 

トランス脂肪酸の体への悪影響は、取りすぎることによって悪玉コレステロールが増え、善玉コレステロールが減ることが報告されています。

 

このためトランス脂肪酸を取りすぎると心臓病のリスクが高まるといわれています。

 

 

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トランス脂肪酸を含む食品は？

 

トランス脂肪酸は油脂の加工・精製でできますが、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッドなどに含まれます。そしてこれらを利用して作られるパンやケーキ、クッキー、ドーナツなどの洋菓子に含まれることになります。

また、ショートニングは揚げ物油の代用として使われたりしますので、揚げ物にもトランス脂肪酸が含まれている場合があります。

 

パンやケーキ、クッキー、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物って日頃食べていますよね。

多くの人は。トランス脂肪酸の表示義務がないですから、人によっては知らないうちにトランス脂肪酸を取りすぎている場合もあります。

 

トランス脂肪酸の外国での対応

 

今回アメリカでトランス脂肪酸の全廃が決定されたわけですが、西欧諸国を中心に多くに国ではトランス脂肪酸の何らかの対策を講じています。

例えば一番厳しい包有量の規制措置を実施している国として、デンマーク・スイス・オーストリア・カナダ・シンガポールなどがあります。そのほか地方分権が進んでいるアメリカではカリフォルニア州やニューヨーク市などで独自に行われています。

次に厳しいトランス脂肪酸包有量の表示義務がある国が、アメリカ・韓国・中国・台湾・香港

自主的な低減措置を実施しているところが、EU・イギリス・フランス・オーストラリア・ニュージーランド

以上の国で何らかの規制が行われています。

トランス脂肪酸の摂取量が多いところが厳しい規制措置を取る傾向にありますが、気になるのがシンガポール、中国、韓国、台湾、香港などの近隣のアジア諸国の状況ですね。

 

これらのアジア諸国が日本以上にパンや洋菓子を食べるのでしょうかね？

旅行で行った感想ですが、むしろ日本のほうがパンや洋菓子を食べるような気がします。

揚げ物はこれらの国でけっこう食べそうです。油は中華料理を中心にかなり使いますからやっぱり危険性は高いのでしょうか。

 

トランス脂肪酸の日本の対応は？

 

気になる日本の対応ですが、現在のところは特に表示義務や包有量に関する規制はありません。

しかし、農林水産省ではトランス脂肪酸の危険性をある程度は認めています。

ただ日本は欧米などと比べるとトランス脂肪酸の摂取量がかなり少ないため、平均的に見れば日本人のトランス脂肪酸による健康リスクは低いと推定しているようです。

アメリカがトランス脂肪酸の全廃を決定したことにより、マスコミにも大きく取り上げられました。今後は世論の動向を見て何らかの動きがあるかもしれませんね。

 

 

まとめとヒロの一言

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