マラソン五輪代表選考 レースが一本化できない理由は? 

 

マラソンレースイメージ

 

マラソンのリオ五輪代表をめぐっていろいろ話題があります。先日の東京マラソンでは、日本人トップをめぐって有力選手の駆け引きもあったのも影響してか、日本人トップはなんと一般参加の高宮佑樹選手。ただし基準タイムを大きく下回る結果で代表入りをめぐってはびわ湖毎日マラソンへと移ります。

 

女子でも先の大阪国際マラソンで優勝した福士加代子が、陸連が設定した基準タイムを上回りながら代表内定を出さなかったことに反発して、名古屋ウィメンズマラソンへ強行出場する姿勢を見せていました。

 

今回だけでなく、過去何度も物議をかもした五輪マラソンの代表選考。その大きな原因が対象の選考レースがお多すぎるということ。

 

ファンの間では、選考レースの一本化を望む人も多いのですが、それができないのはなぜか?マラソンの選考レースについていろいろ調べてみました。

 

 

マラソン五輪代表選考過去の騒動

 

マラソン五輪代表選考をめぐっては、過去幾度となく騒動がありました。過去の騒動を振り返ってみます。

 

1992年のバルセロナ五輪代表を巡る選考会

 

1992年のバルセロナ五輪代表をめぐる選考会では、松野明美が陸連に対して不満を漏らして会見まで開いて話題になりました。問題となったのは次の2レースの結果。

 

有森裕子 世界陸上4位 タイム2時間31分8秒

松野明美 大阪国際女子2位 タイム2時間27分2秒

 

確かに順位やタイムで見ると、松野明美のほうが良いですから批判も当然のように思います。有森裕子も松野と同じ大阪国際女子マラソンに出場予定でしたが、ケガのため回避していることで余計に問題を複雑にしています。

 

冷静に見れば、世界陸上と大阪国際女子とのレースの格の違い、行われた時期の違いで結果的には陸連は客観的な判断をしたのかという感想です。なぜなら世界陸上は夏に東京で開催された時のタイムですから。冬でしかも高速コースの大阪国際女子とタイムだけで比べるのもフェアではないような気がします。

 

結局バルセロナ五輪では、有森裕子が銀メダルを取ったことで、多くの国民もこの結果に納得するという結末を迎えました。

 

 

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1996年のアトランタ五輪代表を巡る選考会

 

バルセロナに続く、アトランタ五輪代表の選考でも揉めました。問題となった次の3人のレース結果。

 

有森裕子 北海道マラソン優勝 タイム2時間29分17秒

鈴木博美 大阪国際女子2位 タイム2時間26分27秒

真木和 名古屋国際女子優勝 タイム2時間27分32秒

 

この時は、世界陸上と東京を勝った浅利純子は内定で残り2枠をめぐる争いでした。結果は有森裕子と真木和が代表に決定。鈴木博美は落選になりました。

 

当時陸連は、「勝負に競り勝った優勝選手を記録より優先」ということで鈴木を落選としています。今年のマラソン選考でも大阪国際女子で好成績を上げた福士加代子が名古屋に強行出場するというのも、この時の結果があるかもしれませんね。

選考会一発勝負は過去にはあった

 

五輪代表の選考会で過去男子マラソンで一発選考会が行われたことはありました。1988年のソウル五輪代表に関して1987年の福岡国際がそのレースです。

当時の男子マラソンは現在の低迷期とは比べものにならないほどの黄金期。有力選手が数多くいたため、一発選考でないと決めきれないという事情もあったようです。

その顔ぶれなんですが、、瀬古利彦、宋兄弟、中山竹通、谷口浩美、児玉泰介、伊藤国光、新宅雅也というそうそうたるメンバー。いずれも世界で通用するような面々です。今となっては日本男子マラソンの低迷がウソのようです。

しかし、このレースは瀬古が骨折で欠場。1位の中山と2位の新宅はあっさり代表内定となったのですが、日本人3位でレース4位の工藤一良には内定が出ませんでした。タイムも2時間11分36秒とあまりよくないのもありましたし、過去の実績もあまりない工藤だったのも影響があったのか3人目の代表は瀬古に決まっています。

瀬古は実績もありましたし、その年のボストンマラソンで優勝もしていましたし、びわ湖マラソンの結果が2時間12分41秒で優勝ということで選ばれました。

確かに陸連のより勝てる選手を選びたいという気持ちはわかります。オリンピックで惨敗し、批判にさらせるのは嫌ですからね。

また実績ある選手を選ばなかったことで批判になる場合もあるでしょう。有森や瀬古などは人気も実力もありましたから。

 

ただ選手からすると納得がいきにくいのも事実。タイムだけをみると自分が勝っているのにという気持ちもわからなくもないです。それだけ選手のオリンピックにかける気持ちが強いので、より問題を複雑にするのだと思います。

 

選考レースを一本化できないのはスポンサーに配慮!?

 

選考レースを一発選考とできないのは、スポンサーなど大会運営者に配慮しているという見方もあります。日本ではマラソンは人気があります。各選考レースごとにテレビ放送がされ、注目度もあります。

 

しかし、選考レースを一本化するとどうでしょう?選考レースになったレースは注目度が上がり、今まで以上に人気になるでしょう。しかし、選考レースから漏れた場合はレースの注目度が下がり、運営者サイドの収益にも影響を及ぼすからです。

 

そのため、日本的にみんなが良い思いをするということで選考レースが複数になっているという事態が正確なのかもしれません。しかし、選考レースは都度変えていくつまり選考レースの持ち回りです。そうすれば今年は注目度が低くても次回は注目度が高くなれば良いわけですからね。

 

マラソンは調整が非常に大事です。過去当日の調整に失敗し、実力があるにもかかわらず結果を出せなかった選手もたくさんいました。そういった意味では、調整も実力のうち一発勝負の選考レースで実力プラス調整力ということで選んだほうがすっきりするので良いのではないかと感じます。

 

女子マラソンの最終選考レースの名古屋ウィメンズマラソンの結果はどうなるのでしょうか?

 

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