関空に成田の背中が見えてきた!? 両空港の規模の違いや旅客数

成田空港イメージ

 

関西空港が絶好調のようです。2014年度に過去最高となる国際線旅客数年間1352万人を達成しました。さらに2015年4月~今年1月の国際線利用者数が、前年同期比28%増の計1412万人と、2月3月を残し、すでに過去最高を更新。

 

あと2ヶ月でどれだけ旅客数を伸ばすのかが注目ですね。この好調さに新関空会社の石川浩司執行役員からもこのような発言も。

 

「成田に追いつくなど数年前までは夢物語だったが、いまは背中が見えてきた」

 

両空港にはまだまだ大きな違いがありますが、かなり自信のコメントですね。今回は日本を代表する国際空港「関空」と「成田」について、その規模の違いや旅客数についていろいろ調べてみました。

 

 

関空と成田2016年1月の旅客数や発着回数の比較

 

まずは関空と成田2016年1月の旅客数について比較をしてみます。まずは国際線旅客数です。

 

  • 関空国際線旅客数 147万5852人
  • 成田国際線旅客数  255万6685人

 

数字上まだまだ単月で100万人以上の差があります。数字の上ではとても背中が見えたという状況ではないのですが、それぞれを詳細に比較すると両者の差がかなり近づいてきていることに気がつきます。

 

1月の旅客数の増加率を見ていきます。

 

  • 関空国際線増加率 前年同月比23%増
  • 成田国際線増加率 前年同月比9.7%増

 

増加率ではかなり関空が伸びています。一方成田は羽田の国際化の影響もあり、伸び率は2桁に届かず、それほどでもありません。ちなみに2015年の1月の国際線の増加率は、関空が8%増、成田は7%減という結果。関空は昨年に続き増加。しかも今年はさらに増加率が増して勢いがあります。

成田は昨年の1月はマイナス成長。そこからの増加です。ということは2013年の水準とそれほど変わらないという結果で勢いがありません。

 

さらに両空港の旅客数の内訳を見ると、関空の勢いが鮮明になってきます。

 

SPONSORED LINK

 

関空は外国人旅客数の伸びが大きい

 

両空港の2016年1月の国際線旅客数を「日本人」、「外国人」、「通過客」に分けて比較してみます。なお通過客とは、日本の空港を経由して第3国へ向かう旅客のことをいいます。

 

日本人の旅客数と増加率です。

 

  • 関空の日本人旅客数 50万4810人(前年同月比1.0%増)
  • 成田の日本人旅客数 99万6009人(前年同月比1.0%減)

 

両空港にはまだ倍ぐらいの差があります。便数の多さや、首都圏の人口と関西圏の人口を比べるとこの差は仕方ないのかもしれません。ただ外国人旅客数となるとその事情は異なります。

 

  • 関空の外国人旅客数 94万9670人(前年同月比70%増)
  • 成田の外国人旅客数 105万8930人(前年同月比23.1%増)

 

両空港とも外国人旅客の伸び率は高いのですが、とりわけ関空の伸び率はすさまじいですね。外国人旅客数では両空港ともほぼ変わりません。伸び率を考えると、近いうちにも関空が成田を抜きそうな状況です。

 

続いて通過客を見ていきましょう。

 

  • 関空の通過客数 2万1372(前年同月比51%増)
  • 成田の通過客数 50万1746人(前年同月比8.0%増)

 

通過客は圧倒的に成田が多いです。桁が違うのでかなりの違いです。これは成田はデルタ航空など米系航空会社やANAやJALがハブ空港としているからです。一方関空には、LCC以外にハブ空港としている航空会社はありません。LCCの旅客はそもそも日本を経由して第3国へ行くこともあまりないので、このような違いが出てきます。

 

ただ成田も将来この通過客が激減する事態があるかもしれません。それは羽田空港をめぐる日米航空交渉で、デルタ航空が羽田の妥結内容によっては、成田からのハブ機能を撤退する可能性を示唆したからです。
羽田拡張でデルタ撤退の可能性も 日本拠点の米系航空会社がなくなる? | THE PAGE(ザ・ページ)

 

デルタ航空の発言には交渉の手段としての一種の脅しなどの憶測もあります。しかし、現在は太平洋路線は日本への需要よりも、中国や東南アジアへの需要が大きくなっています。そのためアメリカの航空会社も中国などへ成田を経由する経由便ではなく、直行便を飛ばしたいという状況です。

 

中国の北京や上海などの空港発着は非常に混雑しています。中国に新空港誕生や空港容量の拡張が進むと、成田撤退も現実味が帯びてきそうです。

 

ちなみに両空港の2016年1月国際線の発着回数の違いは以下のようになっています。

 

  • 関空の国際線旅客便発着回数 9220回(前年同月比37%増)
  • 成田の国際線旅客便発着回数 1万3421回(前年同月比7.3%増)

 

発着回数はかなり肉薄しています。にもかかわらず旅客数に違いがあるというのは、降り立つ飛行機の大きさがかなり違うということですね。また搭乗率の違いもあるかもしれません。

 

今年4月には関空が民営化されます。民営化されるとサービスが向上したり、エアライン誘致にも弾みが出る可能性があります。そうすれば、ますます関空の旅客数は伸びが高くなる可能性もあり、今後は成田をおびやかす存在になることは間違いないかもしれません。

 

SPONSORED LINK

 

Sponsored Link

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ