若者の喫煙離れは本当に減っている? 健康面よりも貧困が影響しているかも
従来若者が好んでいたものに、若者離れの現象が見られるようになっています。よく言われるのは、「若者が車を買わなくなった」や「若者が海外旅行に行かなくなった」があります。
一昔前、特にバブル経済の頃は、ともに一種のステイタスのような感じでした。しかし、最近はますます減っています。
理由は、「公共交通機関が発達しているから車は必要がない」とか、「車はお金がかかる」などや「海外より日本のほうが快適だから」などがあげられます。
そんな中、「若者の喫煙離れ」も囁かれています。ただ、実際に街にはタバコを吸う若い人をよく見かけますし、男だけでなく女の子の喫煙も目にします。
実際に若者の喫煙離れは進んでいるのでしょうか?
喫煙人口自体は増えている
タバコの値上げが進んでいます。私は禁煙をしてからずいぶんと経ちますが、以前と比べてタバコの値段の違いに驚かされます。
日本はまだましな方で、海外では「それでもタバコを吸う?」というレベルまでタバコの値段が高騰しています。
3日、オーストラリア議会で新年度予算案を発…:たばこ1箱3200円に=豪:時事ドットコム
また、値段だけでなく近年は受動喫煙の問題もクローズアップされています。喫煙者が自ら吸う煙よりも、タバコを吸わない周囲の人が吸ってしまう副流煙のほうが、身体に悪いという問題もあります。
ますます肩身の狭い喫煙者のはずですが、実は喫煙者の数は減っているどころが増えています。
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こちらの記事によると、日本たばこ産業(JT)が実施している「全国たばこ喫煙者率調査」ですが、喫煙人口と喫煙率社数は以下のようになっています。
「若者のたばこ離れ」は本当に起こってる? 20代男女の喫煙率の実態(1ページ目) – デイリーニュースオンライン
2015年喫煙人口(推計値)
- 男性:1,562万人で前年に比べて36万人増加
- 女性:522万人で前年に比べて11万人減少
女性は喫煙者は減っているものの、男性の喫煙者は増えています。その結果、男女計で2,084万人ということで前年とくらべて25万人増加しています。
また、2015年の喫煙率は、男性が31.0%で前年と比べて0.7ポイント上昇、女性は9.6%と前年と比べて -0.2ポイントマイナスながら男女計で19.9%と前年 と比べて+0.2ポイント上昇をしています。
ざっくりいうと、男性が10人中3人、女性が10人中1人、男女計ですと10人中2人がタバコを吸っているという感じになっています。
若者の喫煙者は?
タバコの喫煙者自体は増えているのは、男性はそれだけストレスがあるのでしょうか?逆に女性は、美容や健康を考えているのか減っています。
全世代ベースでは喫煙者が増えているような統計があります(JTの調査なので多少信ぴょう性に疑問も感じないわけではないですが)。
では、若者の喫煙者数はどうなのでしょうか?記事では『公益財団法人 健康・体力づくり事業財団』がまとめたデータがあります。
まずは20歳代男性の数値です。
●20歳代男性の喫煙率の推移
1965年 80.5%
1966年 83.5%
1967年 83.2%
1968年 78.0%
1969年 78.5%
1970年 79.9%
1971年 79.2%
1972年 80.0%
1973年 80.1%
1974年 82.9%
1975年 81.5%
1976年 80.8%
1977年 79.9%
1978年 78.2%
1979年 80.3%
1980年 77.1%
1981年 76.4%
1982年 76.2%
1983年 70.9%
1984年 71.3%
1985年 71.8%
1986年 70.8%
1987年 71.2%
1988年 66.1%
1989年 67.5%
1990年 66.3%
1991年 68.5%
1992年 66.4%
1993年 65.4%
1994年 63.4%
1995年 64.7%
1996年 63.4%
1997年 62.5%
1998年 63.7%
1999年 60.4%
2000年 60.9%
2001年 56.9%
2002年 54.9%
2003年 54.1%
2004年 52.2%
2005年 51.6%
2006年 44.4%
2007年 42.8%
2008年 41.0%
2009年 40.3%
2010年 38.3%
2011年 35.2%
2012年 31.5%
2013年 29.9%
2014年 29.4%
2015年 28.3%
驚いたのは、まずは1960年~70年代ですが約8割。つまり10人中8人がタバコを吸っていました。
「ほとんどの人が吸ってるやん(・.・;)」
確かに、中年男性が集まれば、みんなでタバコをスパスパ吸っているイメージがあります。その後は下降線をたどり、2013年には3割をわり、2015年には28.3%まで落ち込んでいます。
記事では、若い世代の健康志向があるためと指摘していますが、確かに全世代ベースでは喫煙者が増えているにもかかわらず、20歳代の喫煙者は減っているのでそうともいえそうです。
しかし、3割り程度の喫煙者数は変わらないし、それほど20歳代が健康に気にしているとも思えません。むしろ、収入のほうが大きな理由かもしれません。今若年者層の貧困が問題になっていますから。
また、タバコを辞めるのも、長年何十年も吸っていればそれだけ難しいでしょう。なかなか禁煙できなという現実もあります。
一方女性はどうでしょうか?20歳代の女性の喫煙率の推移のデータです。
●20歳代女性の喫煙率の推移
1965年 6.6%
1966年 10.6%
1967年 11.0%
1968年 8.1%
1969年 9.9%
1970年 9.8%
1971年 10.2%
1972年 12.7%
1973年 11.0%
1974年 12.9%
1975年 12.7%
1976年 14.3%
1977年 16.0%
1978年 14.9%
1979年 16.4%
1980年 16.2%
1981年 17.4%
1982年 17.4%
1983年 15.0%
1984年 17.1%
1985年 16.6%
1986年 15.5%
1987年 15.9%
1988年 15.2%
1989年 16.4%
1990年 19.5%
1991年 17.5%
1992年 16.7%
1993年 20.8%
1994年 20.1%
1995年 23.3%
1996年 20.3%
1997年 22.3%
1998年 23.5%
1999年 23.6%
2000年 21.9%
2001年 24.1%
2002年 24.3%
2003年 20.3%
2004年 19.7%
2005年 20.9%
2006年 18.8%
2007年 17.6%
2008年 18.1%
2009年 15.9%
2010年 15.1%
2011年 13.5%
2012年 11.4%
2013年 11.1%
2014年 10.0%
2015年 10.1%
女性の喫煙者の推移は男性ほど変化が激しくありませんが、2000年初頭ぐらいがピークになります。当時は約25%ですから、2015年の男性並に喫煙者が多かったことになります。
女性の喫煙者数は、女性の社会進出にも影響しているかもしれません。強いストレスがかかると、何かに依存したいという気持ちになりますからね。
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