大阪市営地下鉄が2018年4月に遂に民営化 メリットはあるの?

大阪地下鉄民営化イメージ

 

大阪市営地下鉄の民営化が大阪市議会本会議で正式に決定しました。

 

これで来年2018年4月に、新たな大手私鉄が誕生するわけですね。日本で民営の地下鉄となると、東京メトロに続く存在ですね。

 

公営地下鉄の民営化となると、非常にインパクトのある事なんですが東京以外のことはあまり話題にしない日本のマスコミですから、それほど大きなニュースになっていません。

 

ただ、吉村大阪市長は「市にとっては、国鉄がJRになったときと同じくらいインパクトのある民営化が実現できた。市政の歴史的な転換点だ」と述べその重要性を強調しています。

 

大きなニュースにならなければ、あまり民営化のメリットもなさそうに感じますが、大阪市営地下鉄の民営化は日本に対して大きなメリットをもたらしそうです。

 

 

実は儲かっている大阪市営地下鉄

 

大阪の地下鉄となると、「民営化するぐらいだからどうせ赤字でしょう?大阪だし」と思っている人も少なくないかもしれません。

 

どうも日本の報道ぶりでは、

  • 東京のもの=黒字
  • 地方のもの=赤字

 

という印象を持ってしまいかねません。

 

では、実際に大阪市営地下鉄はどうかというと、全国の公営地下鉄の中でもダントツの収益性をあげているのです。

 

例えば東京の都営地下鉄。東京は電車の混雑度が異常なので、儲かってそうなイメージですよね?

 

でも都営地下鉄と大阪市営地下鉄の平成27年度の純損益はこんな感じで、

 

  • 都営地下鉄 258億5,693万円
  • 大阪市営地下鉄 373億8,700万円

大阪市営地下鉄が都営地下鉄を圧倒しています。
さらに累積欠損金、まあ今まで積み上げてきた赤字の補填ですが、
都営地下鉄が約3,275億3,009万円もあります。大江戸線の建設費などが重くのしかかっているようです。

 

一方の大阪市営地下鉄はというと、累積欠損ではなく、黒字を積み上げてきて、

 

累積剰余金が約1,186億5,500万円もあります。

 

つまり、黒字を長年積み上げてきて、1000億円以上の余分の貯金があるわけです。これは、公営の交通機関では凄いですよね~。

 

ちなみに都営地下鉄以外の全国の公営地下鉄は都営地下鉄よりももっと経営が厳しい状況です。

 

そもそもあまり路線距離も長くなく、乗降客も少ないため純損益自体が少ないですから。

 

比較的規模の大きな名古屋市営地下鉄で1135,200万円という純損益ですしね。

 

中には、神戸や福岡のように純損益自体が赤字という地下鉄もあります。

 

いかに大阪市営地下鉄の経営状態が良いかがわかると思うのですが、これだけ黒字ならわざわざ民営化することもないやろ?という意見もあります。

 

SPONSORED LINK

 

大阪市営地下鉄民営化のメリットは?

 

経営状態の良い公営企業の民営化ですが、状態の良いものをわざわざ変えるということは、あまりメリットがなさそうにも見えます。

 

では、大阪市営地下鉄の民営化は何かメリットがあるのでしょうか?考えられるメリットはいくつかあります。

 

経営が自由になる

 

民営化によって経営が自由になるメリットがあります。

 

公営企業には“民業圧迫”という壁が立ちはだかります。経営力がある公営企業が、自由に商売をやれば、民間企業は太刀打ちできなくなる可能性もありますから。

 

でも、民営化によって、その民業圧迫という規制が取り除かれます。民営化によって自由に経営ができるようになります。

 

当初は大阪市が株式の100%を保有することになるので、それほど自由にはというわけにはいかないでしょうが、それでも遊休地の活用など今までの公営企業にない取り組みは行ってきそうです。

 

折しも大阪は、訪日外国人旅行者の急増でホテル不足ですから、ホテル事業なんかへも参入してくるかもしれませんね。

 

路線延伸が進むかも?

 

大阪市営地下鉄は大阪市の公営企業ですから、自ずと大阪市民のための利益に資する必要があります。

 

そのため、路線延伸も基本的には大阪市の枠内でという考え方もあります。

 

ですから、路線延伸も大阪市以外にはなかなか難しいものがありました。実際に計画だけでなかなか先へすすまないというものもありました。

 

しかし、民営化によってこのような縛りがなくなります。

 

もちろん資金や採算性の問題もありますから、それほど簡単ではありませんが、以前計画があった谷町線の寝屋川方面の延伸や四つ橋線の堺方面への延伸は実現するかもしれません。

 

他の公営地下鉄が追随するかも?

 

公営のものの民営化となると空港のケースが参考になるかもしれません。

 

近年、全国の空港では民営化が実現しています。

 

これも、関西国際空港などが先例となり、その後多くの地方空港が追随したというのも利用のひとつといえるでしょう。

 

地下鉄も同じように大阪市営地下鉄が民営化に成功しクローズアップされれば、他の公営地下鉄の民営化の機運も高まるはずです。

 

そう考えると、今回の大阪の市営地下鉄の民営化のニュースは、全国的にも非常にインパクトのあるものといえるはずです。

 

少なくとも営業収益だけを考えれば、関西の大手私鉄のトップに立ち、全国でもJRを除くと東京メトロや東武鉄道に次ぐ規模の会社が誕生するわけですから。

 

SPONSORED LINK

 

Sponsored Link

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ