日本の大学の特徴 世界の大学との違い 教育費と奨学金は最悪
日本の大学は国際的にさまざまな批判があります。世界の大学と比べて非常に高い教育費が問題となっています。また、厳しい家計の中、大学への進学となると奨学金が頼りになります。
しかし、日本ではその奨学金制度も充分でないという現状があります。教育は国を支える重要な側面にもかかわらず、これでは日本の将来が心配ですよね
日本と世界の大学の教育にかかるお金についていろいろ調べてみました。
日本の大学の授業料は世界の国々と比べるととても高い
こちらのニュースでは、現在公開中のマイケル・ムーア監督の最新作『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』から日本の問題点を指摘しています。
日本は教育費と奨学金で世界最悪 大学の授業料の問題は深刻か – ライブドアニュース
この映画は、主にムーア監督が主にヨーロッパの国々を訪問し、その国の優れた生活習慣や政策を取材し、良いものはアメリカでも取り入れたらどうかと提言するという内容です。
大学の教育費に関しては、スロベニアの大学の授業料が無料な点について紹介しています。
アメリカも授業料が高くて有名なのですが、この映画はアメリカの劣悪な状況を嘆いているわけですが、日本も同じような状況なのです。
こちらはOECDのデータで、国公立の高等教育(国公立大学と高専)の平均年間授業料(2011年)になります。
国名の右のカッコ内の数字のパーセントは、高等教育への進学率です。さらにその右の数字が購買力平価による米ドル換算の平均年間授業料になります。
日本は、チリ、アメリカ、韓国、イギリスなどと並び大学の授業料がとても高くなっているのがわかります。しかも、財務省は今後国公立大学の学費を大幅に値上げするような意向を持っています。
確かに世界の大学の授業料も高くなる傾向がありますが、ますます日本の大学の状況が悪くなっていくます。また日本では、非正規雇用の増大によって格差問題が深刻です。
これでは、大学は一部の裕福な家庭での子供しか通うことができないことにもなりかねません。せっかくの才能を広く活かすことができず、日本の国力がこれでは弱まっていくのではないかと懸念されます。
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奨学金も最悪の日本
授業料が高いのが問題の日本ですが、家計が苦しい子供が大学へ進学しようと思うと、頼りは奨学金ということになります。日本では多くの学生が奨学金を利用していますが、実はその状況が世界でも最悪と言わざるを得ないことになっています。
日本の奨学金の約9割は日本学生支援機構の貸与奨学金になります。大学独自の給付型の奨学金が一部にあるものの非常に少ない状況です。
日本学生支援機構の奨学金も、無利子の第1種と有利子の第2種になりますが、金額ベースで約7割が有利子となっています。
世界の多くの国々で奨学金といえば、給付型。つまり、返す必要のない奨学金になります。貸与型しかも有利子の奨学金は、世界では奨学金と呼ばず「教育ローン」と呼ぶのが普通です。
このように日本は授業料が高く教育費が高いにもかかわらず、その救済となる奨学金制度も劣悪で世界でも最悪な状況です。
アメリカも授業料が高いですが、日本と比べるとずいぶんと奨学金が充実しています。つまり日本は先進国の中では、最悪のような状態にあるのです。
これは物価が高いという問題もあるでしょうが、一番の要因は教育費の公的支出が少ないことがあげられます。日本の財政は現在危機的状況にありますが、いったい何に使われているのでしょうか?
ヨーロッパでは学生の負担が少ない国も多い
上記のOECDの教育費のグラフでもわかるように、教育費が少ない国は、ポーランド、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェ-、スウェーデン、フランス、オーストリア、ベルギー、スイス、スペイン、イタリアなどヨーロッパの国がズラッと並んでいます。
さらに、それらの国では奨学金も充実している国も多いのです。「授業料が安く、奨学金も充実している」国は、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデンなどの北欧の福祉国家が並びます。
例えばデンマークでは、授業料が無料にもかかわらず月額8万程度の給付金を支給されるようです。
お金の心配をすることなく、学部はおろか大学院までしっかりと勉強をすることができます。これなら書籍も購入できますし、バイトのために勉強をする時間がないということもありませんね。
また、卒業しても多額の借金の負担もないため、より充実した生活を送れるようになりそうです。大学生や受験生、さらにその親にとっては、とてもうらやましい状況ですね。
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