三越伊勢丹の株価低迷が深刻 爆買も下火で今後が心配

三越伊勢丹イメージ

 

三越伊勢丹の株価が低迷しています。三越伊勢丹ホールディングスの株価は2015年7月に上場来高値をつけました。

 

百貨店業界はかつて時代遅れの流通と揶揄され、低迷を続けました。多くのデパート同士が経営統合をし、新たなネーミングの百貨店が誕生しました。

 

三越伊勢丹はその象徴のようなものですが、低迷を続けた百貨店業界に光を見出した大きな原因が、中国観光客を中心とする「爆買」。

 

免税品などの売上が激しく上がり、正月には「いったい誰が買うの?」と感じる豪華な福袋が登場し、話題にもなりました。

 

ただ、三越伊勢丹のかつての栄光は崩れ、株価は2016年5月に前年につけた上場来高値の半分以下の水準に落ち込んでいます。

 

今後は、業績の見通しも良くなく、三越伊勢丹にとっては厳しい状況に置かれています。

 

 

三越伊勢丹ホールディングスの2016年3月期決算は低迷

 

三越伊勢丹ホールディングスの2016年3月期の連結決算は、営業利益が前期比0.1%増の331億円と、前期からほぼ横ばいでした。従来の予想は営業利益が370億円でしたから予想を大きく下回ったことになります。

 

通期の数字以上に心配なのは、下期の業績。下期に限っては、営業利益は前年同期比2割減、売上高は2%減とともにマイナス。営業利益の落ち込みが特に大きいですね。

 

下期がこれほど低迷したのは様々な要因はあります。世界経済の悪化や日本経済自体も先行きが不透明という状況になっています。

 

そのため、国内の消費自体が冷え込み気味という状況もあります。もっと深刻なのが中国経済の悪化です。近年の百貨店の売上は、中国人観光客などによる爆買が支えたという状況もありますから。

 

その爆買が下火になっていますから。訪日外国人客数だけでみると、現在でもまだまだ伸びています。しかし、訪日外国人の消費傾向も変わってきています。

かつてのような爆買いはリピーターが増えるに連れ、ますます少なくなっていくものと思われます。

 

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良かったはずの立地も逆風になる時代

 

新宿「伊勢丹」村を象徴に三越伊勢丹の店舗は関東に偏っています。かつてはそれでも、人口や情報が集中する首都圏偏重の立地が有利なこともありました。

 

こんな本も出版されるぐらい。伊勢丹だけが一人勝ちのような時代もありました。

 

しかし、現在はその立地が、三越伊勢丹が逆風にさらされている理由にもなっているとの指摘があります。
三越伊勢丹のインバウンド頼みは限界? 訪日客の「西高東低」で逆風か – ライブドアニュース

それは訪日外国人が訪れる場所が、かつての日本人の常識とは違ってきているということです。記事では訪日客の西高東低傾向が指摘されています。

 

 

訪日客の西高東低傾向の理由は?

 

訪日客の西高東低傾向はたしかに最近見られる現象です。大阪のビジネスホテルの予約が取れにくい、大阪のホテルが高騰しているというのは、多くの人が経験していることだと思います。

 

大阪のホテルに空室がなかったりバカ高い時はここを調べよ

 

九州は、現在震災で低迷はしていますが、震災前は大きく訪日客旅客数が大きく伸びていました。関西や九州を中心に訪日外国人客数が大きく伸びており、免税品などの売上も大きかったわけです。

 

訪日外国人が西日本に多く訪れる傾向があるのは何か理由があるのでしょうか?これは一時的なトレンドだけで、今後の状況は異なるのでしょうか?

 

 

アジア各国からは西日本のほうが便利

 

訪日外国人の「西高東低傾向」になる理由は、外国人観光客の中心がアジアからの旅客ということです。

 

アジア各国から日本へ訪れる場合、たとえば東京と大阪では所要時間が1時間ほど変わり、大阪のほうがフライト時間が短くなります。九州であればさらに短くなります。

 

長時間のフライトは苦痛です。貴重な休みの時間を有意義に使うためには、できるだけフライトの時間は短いほうが良いのです。

 

 

関西国際空港などにはアジアからの便が豊富

 

かつては、旅客数低迷にあえいでいた関西国際空港ですが、近年は過去最高の旅客数を記録し、息を吹き返しています。その牽引役が訪日外国人です。

 

関西国際空港は、欧米便は少ないですがアジア便は成田に負けないほどの便数を誇ります。外国人旅客数は、成田を凌ぐほどに成長しています。

さらに関西国際空港に多くのLCCが就航していることも外国人が多く利用する理由になっているでしょう。

 

また、日本各地に巨大な商業地があるのも理由になるでしょう。確かに東京は規模も大きいですが、一つがどか~んと大きいというよりは、巨大な商業地がいくつもあるという感じです。

 

新宿、渋谷、池袋やそれ以外にも商業地が分散している傾向があります。一方西日本各地にも大阪のキタやミナミ、福岡の天神など商業地集積度合いが大きいところもあります。

 

特に梅田や難波はかなりの巨大な商業地です。外国人観光客からすると、分散していると不便ですし、ある程度集約していたほうがいいはずです。

 

特に日本の鉄道は便利なのですが、複雑でわかりにくいですからね。また京都や奈良、広島などを中心に知名度のある観光地も多いのが西高東低の理由になっていると思われます。

 

今後もこの傾向は続き、筆者はますますその傾向が強くなるのではないかと予想しています。三越伊勢丹は業績低迷でかつて大阪店から撤退しましたが、再度立て直しをはかったほうが良かったかもしれませんね。

 

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