リニア大阪同時開業の可能性 国の関与によりルートは奈良それとも京都?

リニア新幹線イメージ

 

2017年東京-名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線ですが、大阪までの開業時期が短縮される可能性が出てきました。さらに東京-大阪までの全線で同時開業がなされるのか注目されます。

 

リニア中央新幹線は、JR東海が自己資金で建設することになっています。そのため、まずは名古屋までを開通し、その後経営体力を回復した後に大阪までを開業する方針です。

 

しかし、自民党の特別委員会は、JR東海に資金を負担することで、大阪までの早期開業を促そうとしています。資金負担によって、JR東海が首を縦にふるのか?気になる大阪までのルートは奈良それとも京都を通るのか?

 

 

関西財界の早期開業の思惑

 

関西でも特に財界が大阪までの早期開業、同時開業を望んでいます。その大きな理由は、関西経済の地盤沈下。

 

名古屋に先にリニアが開業することで、名古屋と東京の結びつきが強くなり、関西経済が地盤沈下するのではないかということです。

 

関西財界は名古屋が首都圏が40分で結ばれ、あたかも同じような都市圏になることをおそれているわけです。三大都市圏ではなくなり、1大広域都市圏になりえますから。

 

SPONSORED LINK

 

大阪府は特に同時開業を切望

 

関西の都道府県の中でも、とりわけ大阪府がリニア早期開業、大阪までの同時開業を切望しています。現在でも相当な数の大阪に本社があった大企業が東京へ移転しています。

 

リニアが名古屋まで開業することで、その流れがさらに加速したり、名古屋に本社を置くような企業が現れるかもしれません。

 

地盤沈下が進んだとはいえ、まだまだ大阪には西日本の中心都市として、多くの企業が本社を構えています。リニア名古屋先行開通で、その存在価値が問われるわけですから。

 

企業や人が大阪を離れれることで、税収だって減りますから。大阪にとっては、これは一大事です。そのため、前橋下大阪市長や松井大阪府知事も強力に政府に同時開業を要望していました。

 

 

万博開催は大阪の切り札となるか?

 

ここにきてにわかに脚光を浴びているのが、2025年に大阪で国際博覧会(万博)開催をしようという動きです。海上の候補地も幾つか上がり、大阪府としては万博開催の本気度がうかがえます。
25年大阪万博誘致、会場「夢洲」軸に検討 知事が方針:朝日新聞デジタル
国際博覧会(万博)開催 …

 

2020年の東京オリンピック開催でも、羽田空港からの新しいアクセスが検討されました。同じように国際的なビックイベントである万博が再び大阪で開催するようなことがあれば、政府の支援も受けやすくなりそうです。

 

さらに大阪では、災害時に東京のバックアップを果たせる副首都計画があります。大阪までリニアが開業すれば、1時間程度で東京-大阪間が結ばれますから、副首都計画がより現実的になるでしょうし。

 

 

リニア大阪同時開業 政府・自民党の思惑

 

リニア中央新幹線の大阪までの同時開業は、関西の政界や財界だけでなく、経団連など日本の経済会もその実現を望んでいます。

 

東京・名古屋・大阪の3大都市圏が1時間程度で結ばれ、あたかもひとつの都市圏のような巨大な市場が登場するわけですから。

 

経団連などの財界といえば、政府・自民党を支持する強力な存在です。組織票などで選挙をより有利にするためにも、財界の意向には沿わなければいけません。

 

さらに政府の成長戦略にとっても、リニアの全線同時開業はメリットがあります。最近な金融緩和の効果も薄れ、手詰まり感があるアベノミクスですから、何か起爆剤となるものが欲しいはずですからね。

 

いろいろ小さく規制緩和などをしようとしていますが、既得権益者からの抵抗にあい、なかなか上手く進んでいません。

 

リニア開通なら、最大規模のインフラ整備ですし、巨大な都市圏が創設させることで、高い経済効果が上がればという思惑もあるでしょう。
自民がリニア「関西同時開業」を狙う舞台裏 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

政府・自民党はJR東海に対して、資金負担を軽減することで、リニア中央新幹線の大阪までの早期開業を促そうとしています。

 

ただ、従来はJR東海は自己資金でリニアを建設しようとしていました。そのため自治体の思惑もあるでしょうが、ある程度自由に政府の干渉がなくルートなどを決定することができました。

 

JR東海に対して、政府・自民党が資金を負担することになれば、当然に「金も出すが口も出す」という状況になるでしょう。

 

そのため、現在でも途中駅をどこを通るかの争いが、さらに激しさを増す可能性も出てきます。

 

 

国の関与によりルートは奈良それとも京都?

 

リニア中央新幹線は、1都道府県で1つの駅という原則があります。また東京までの所要時間を短くするためにも、できるだけ最短距離で結ばれるのが望ましいと思われます。

 

名古屋から大阪までの途中駅は、このような背景から、奈良を通るルートがすでに決定されていました。世界遺産で多くの観光地を抱えながら、埋没していた奈良にとってはリニア開通は悲願です。

 

ただそこに異論を唱える自治体が現れます。それは京都。まるで長嶋監督が巨人監督だった時代のように、なんでも欲しがるという感じでしょうか。

 

京都とは北陸新幹線の大阪延伸でも、そのルート選定に野心があります。中には舞鶴経由など信じらないような遠回りをするルートも提示しています。

 

北陸新幹線大阪延伸はどのルートに? 難しい4つのルートの選択

 

北陸新幹線大阪延伸は小浜京都ルートが有力 みんなの反応は?

 

北陸新幹線のように、関西の自治体同士でもめていると、余計に話しがこじれそうです。リニア早期開業のためにも、関西広域連合会の首長や関西財界などは、当初の計画通り奈良を推しています。

 

リニアは北陸新幹線とはケタ違いの経済効果があるわけですから、このまま京都が引き下がるようにも思いません。

 

せめて折衷案として、京都府と奈良県の県境付近の学研都市を途中駅とすることでまとまってくれれば良いのですが。今後さらなる揉め事が待ち受けていそうです。

 

Sponsored Link

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ