中国漁船群が尖閣接続水域内に侵入 領海・接続水域・排他的経済水域の違いは?

海域イメージ

 

中国の漁船群が沖縄県の尖閣諸島周辺の接続水域に侵入し、日中両国の緊張が高まっています。漁船の数はなんと約230隻!さらに武器も有している中国の公船も確認され、中国の挑発行為が続いています。

 

海をめぐる言葉には、今回の接続水域の他にも、領海、排他的経済水域など様々なものがあります。それぞれは、どんな違いがあるのでしょうか?

 

 

領海とは?

 

「領海侵犯」なんて言葉がニュースでもよく耳にする時があるでしょう。領海とは、言ってみれば「海の領土」です。領土は土地の上ですからわかりやすいですが、領海は海。なにかハッキリと分かるものがないため、見た目ではハッキリしませんね。

 

領海やのちほど説明する排他的経済水域を決めるにあたっては、日本では国連海洋法条約の法律に基づいて「直線基線」を採用しています。

 

領海は12海里(約22km)ですが、基準となるのは海岸線ではなく、この「直線基線」になります。領海は陸地から一番近いところにあります。直線基線から12海里が正確な領土の範囲になります。

 

領海内は、外国の船舶はいかなる場合も航行してはいけないということではなく、安全を害しない範囲で通航する権利はあります。

 

範囲を逸脱、つまり例えば漁業をするような場合などは、日本の法律に基づき、船長などを逮捕する事ができます。

 

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接続水域とは?

 

接続水域とは、領海からさらに外側12海里までの海域をいいます。接続水域ですが、外国の船はまったく入ってはいけないというわけではありません。

 

ココは誤解しがちなのですが、基本的には公海というどこの国にも属しない海域と同様に、どこの国の船も自由に行き来することができます。

 

では、公海とは何が違うのかというと、怪しい船がやってきた場合に、警告や監視をすることができます。接続水域は、領海の間近ですから、領海に近づき進入することを、警告したり監視したりする権利が認められているわけです。

 

今回の尖閣諸島の接続水域には、漁船団300隻に加えて、武装した船も混じってます。日本側はこの船の群れを怪しいものとして、警告したり監視をしているわけです。

 

ココで、警告や監視ぐらいで事態が推移し、やがて漁船団などがどこかへ行ってしまえば良いのですが、ちょっとしたきっかけで、発砲。さらにその発砲に対して、防衛の意味として発砲なんてことで、戦闘状態になることが懸念されます。

 

 

排他的経済水域とは?

 

排他的経済水域とは、基準となる直線基線から200海里つまり約370kmまでの海域をいいます。その中には、領海や接続水域が含まれますが、それらの海域を除いたのが、排他的経済水域ということになります。

 

排他的経済水域とは、漁業を行ったり、天然資源を掘ったり、科学的な調査を行うことが自由にできる海域のことをいいます。

 

近年は、海底にある天然資源が注目されていますが、その天然資源をめぐって利害が絡むため争いが起こりやすくなります。

 

レアメタルやメタンハイドレートなどの鉱物資源が掘削されたりしています。中国も尖閣諸島や南沙諸島で日本やベトナムと対立するのも、利害が絡むためです。

 

また、排他的経済水域は隣国と重なり場合もあります。その場合は、両国で話し合いで解決することになりますが、紛争に発展してしまう場合もあります。

 

ところで、中国はあれほどでかい国なのに、もっと広いところを支配したがることに対して、日本人からはちょっと理解できないですよね?はるかに国土が小さい日本に対してですから。

 

実は、日本は島国で排他的経済水域がとても広いのです。その面積ですが447万キロ平方メートルと、日本の国土面積の約12倍もあります。

 

これだけの広さがあるので、いろんな資源が眠っている可能性は自然と大きくなります。

 

一方、中国ですが排他的経済水域は、87.7万キロ平方メートルしかありません。日本の約5分の1程度しかありません。中国は内陸部に広いため、意外にも経済水域は国土の割にはあまり広くないのです。

 

このことも中国の領土的な野心を増やす一因になっているともいえるでしょう。

 

日本は狭い狭いといいますが、それはアメリカや中国、ロシアなどの大国と比べるからというのもあります。世界的に見れば、それほど小さい国ではありません。

 

しかも、経済水域はかなり広範囲に及ぶわけですから、コレを有効に利用したいところですね。有効に活用するためにも、尖閣諸島を基点とする海域も重要なものなのです。

 

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