公的年金だけでなく自分年金をつくる時代 個人型DCを国が推進する意味

個人型DCイメージ

 

日本は超高齢化社会をむかえようとしています。

 

こちらの「3つのニュースから見える、私たちの将来のこと」を見て、グーンと将来が不安になってきています。

 
「老後の蓄え不十分」、「伸びる平均寿命」、「公的年金運用の赤字」3つのニュースから見える、私たちの将来のこと | マネーの達人

破綻寸前の年金制度に加えて、進まない国の財政の立て直し。今でも大盤振る舞いのように経済対策を行っていますからね。

 

これで経済が良くなれば問題ないかもしれませんが、思惑どおりに進んでいません。

 

個人消費の落ち込みは深刻になっています。みんな先行きが不安ですからね。

 

これからは、どうも国には頼らずに、自分で人生計画をしっかり立てる必要がある時代になってきそうです。

 

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平均寿命が伸びてるのに公的年金の運用は赤字

 

厚生労働省の調査によると、平成27年の日本人の平均寿命は男性が80.79歳、女性が87.05歳、この数字はいずれも過去最高を更新。

 

寿命が伸びているということは、全体でみてそれだけ年金をもらう期間が増えているいうことです。

 

より多くの高齢者の年金が必要になっているわけです。

 

一方年金の財源はどうでしょう?

 

日本の財政は、国の借金が過去最高を記録しますますきびしい状況です。

 

高齢者福祉を充実させるのは、非常に厳しい状況にますますなってきています。

 

公的年金の原資は、積立金を運用してその運用益も見込んでいます。ただその運用益が芳しくありません。

 

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2016年4~6月期の運用損益が5兆2,342億円のマイナスになったと発表しています。

 

2015年の運用実績も5兆円以上のマイナスであり、1年ちょっとの間に10兆円以上を損した計算になっています。

 

確かにGRIFが言うように、投資は長期的視野に立つ必要がありますし、アベノミスクの効果でココ数年株価が上昇したこともあり、2012年~2014年の収益率は高い数字でした。

 

ただ、投資は水ものですから、今後の運用益はどうなるかわかりません。よくなる可能性はありますが、逆に赤字がさらに膨れ上がる可能性だってありますから。

 

となるとあまり大きな期待はできませんし、今後の年金財政はますます厳しくなると考えるのが自然です。

 

 

年金の支給開始年齢も遅くなる?

 

現在の公的年金の支給開始は原則65歳からということになっています。

 

ただ、年金財政の悪化と平均寿命がますます伸びれば、この開始時期を維持するのも難しくなってくるでしょう。

 

すでに将来は70歳から、75歳からなどとささやかれています。

 

公的年金の支給開始が遅くなったとしても、すべての人がその歳まで働けるわけではありません。

 

健康状態もあるでしょうし、そもそも企業が雇ってくれるかという問題もあります。

 

働けなければ貯金を切り崩すなどして、生活を維持する必要があるのですが、多くの人は預貯金が不十分です。

 

「金融リテラシー調査2016年調査結果」によると、50代の男女で「老後の資金計画を立てている」と回答した人の割合は38%しかありません。

 

つまり、半数以上の人は老後の資金計画を立てていないわけです。

 

まだ、今の50代はワーキングプアの問題が顕著でなくましですが、世代が若くなるにつれ貧困層も増えてきます。

 

生活が苦しければ、当然蓄えをする余裕もありませんから、老後の資金計画を立てていない、あるいはとても立てられないという人が、ますます増えていく可能性はあります。

 

 

個人型DCが誰でも使えるように国が推進

 

DC(確定拠出型年金)は、企業型と個人型に分けられます。

 

個人型DCは、従来は企業年金がない会社員と自営業者しか加入することができませんでした。

 

自営業者などは、基本的に国民年金のみの低い年金支給額になるので、せっせと個人型DCや小規模企業共済などを利用して“自分年金”を作る必要がありました。

 

その見返りとして節税にもなり、国も積極的に自分年金を作るように誘導していったという見方もできます。

 

そして2017年1月より個人型DCが、会社員や公務員だけでなく専業主婦まで、ほぼすべての人が使えるようになります。

 

個人型DCの特徴は、掛け金が所得控除となり、その分所得税や住民税が減るようになります。

 

また、通常の投資とは異なり、個人型DCは60歳になるまでは原則として引き出すことはできなくなっています。

 

個人型DCが自分年金を作るための制度であるのは、このように歳を取るまで使えないという側面があります。

 

このように節税などのメリットのある個人型DCを、誰でも使えるように国が推進しようとしています。

 

これは、見方によっては「将来は年金が開始時期が遅れますよ」、「将来年金の受給額が減りますよ」、「将来は公的年金だけでは生活できないので自分でも貯金してね」という国のメッセージともとれます。

 

それが、自営業者など国民年金だけの加入者だけでなく、広く厚生年金の上積みのある会社員まで広がろうとしているわけです。

 

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