配偶者が亡くなったら配偶者の親族との関係はどうなる? 姻族関係終了届とは?
配偶者つまり結婚をしている夫婦の一方が先に亡くなった場合は夫婦ではなくなります。
悲しいかな当然ですよね、対象となる夫や妻がいないわけですから。
では、配偶者が亡くなった場合、配偶者の親族との関係はどうなるのでしょうか?
例えば夫が先に亡くなった場合、夫の父母などとの関係です。
夫と夫婦でなくなったわけですから、義理の父や母とも関係がなくなってしまうとも思えますが、どうなのでしょうか?
配偶者が亡くなっても配偶者の親族との関係は変わらない
配偶者が亡くなって、夫婦ではなくなっても配偶者の親族との関係は結論からいうと、生前と変わりません。
つまり、夫が先に亡くなっても夫の父母とは、そのまま義理の父母という関係のままです。
「そんなはずはない、離婚した時は配偶者の親族とは、親族関係はなくなる」って聞いたけど。
こう思う人もいるでしょう。
たしかに離婚の場合も、もちろん夫婦ではなくなります。
先に亡くなった場合と同じように。
ただ、離婚の場合は、配偶者の親族との親族関係も自動的になくなります。
しかし、法律上は配偶者が亡くなった場合は、離婚の場合とは異なる取扱になります。
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配偶者の親族と縁を切りたい場合は?
離婚と配偶者の死亡でなぜ取扱が異なるのでしょうか?
離婚の場合は、自分の意思で離婚をすることになりますが、配偶者の死亡は基本的にはそうではありません。
もっと生きて一緒にいたかったのにというのが多くの人の思いでしょう。
その辺りの意思の違いが、法律では異なった取扱になるわけです。
では、配偶者が死亡した場合は、嫌でも一生義理の親子の関係を続けなければいけないのでしょうか?
嫁姑問題などで、できれば関係も断ち切りたいと考える人もいるでしょう。
配偶者の親族との関係は、手続きをすることで親族関係をなくすことができます。
その手続とは、「姻族関係終了届」です。
姻族関係終了届とは?
姻族関係終了届とはどんな制度なのでしょうか?
また、どのように手続きを進めればよいのでしょうか?
離婚のように、家庭裁判所などにいって、ちょっと面倒な手続きが必要なのでしょうか?
姻族関係終了届とは?
姻族関係終了届とはどのようにすればよいのでしょうか?
また、そもそも「姻族」とはどのようなもので、親族との違いはあるのでしょうか?
姻族とは、「配偶者の血族および血族の配偶者」です。
ちょっとわかりにくかもしれないので、説明をします。
まず「親族」とは、法律では以下のように規定をされています。
- 6親等内の血族
- 配偶者
- 3親等内の姻族
血族とは、血のつながりがあるということです。親子は血のつながりがありますし、兄弟もそうですよね。
配偶者は血のつながりはありませんが親族になりますし、姻族も3親等内と範囲は限られますが親族ということになります。
つまり、親族とは血族の一部+配偶者+姻族の一部ということになります。
3親等内の姻族とは、配偶者の父母、つまり義理の父母は1親等です。
ですから、義理の父母である配偶者の兄弟は2親等の姻族ということになります。
兄弟の子供、つまり甥や姪は3親等の姻族、配偶者の祖父母は2親等の姻族、義理の父母の兄弟、つまり義理の叔父や叔母は3親等の姻族で親族関係ということになりますね。
姻族は、血のつながりがないので当然には親族にはなりませんが、結婚をすることで親族関係になるわけです。
そして、結婚をして生じた姻族関係を終了する手続きが、姻族関係終了届ということです。
届け出をすることで、親族でなくなるわけです。
届け出はどこに? 相手方の了解は必要?
姻族関係終了届は、戸籍の届け出ということになります。
そのため、離婚調停のように家庭裁判所への申し立ては必要ありません。
また、姻族関係を終了するかどうかは、自分の意思で自由に決めることができます。
ですから、相手方の了解などは必要ありません。つまり、姑などがどう言おうと自分で自由に親族関係をなしにすることができるわけです。
届け出は、ご自身の本籍地や所在地の市区町村役場の戸籍住民課などになります。
姻族関係終了届提出後の戸籍はどうなる?
姻族関係終了届を提出したとしても、戸籍はそのままの状態です。
戸籍も配偶者の戸籍と別にしたいということであれば、「復氏届」を提出する必要があります。
夫の財産を相続した場合は、なんとなく後ろめたい気持ちがあるかもしれません。
ただ、たとえ夫や妻の財産を相続した後でも、姻族関係は終了できますし、相続で得た財産も返還の必要はありません。
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