デルタ航空の成田からの撤退が止まらない 国際線も羽田への流れ

デルタ航空イメージ

 

成田空港は日本の空の玄関口として多くの国際線が就航しています。JALやANAの日本の航空会社がハブ空港として利用していますが、羽田の国際化に伴い、その地位はかなり低下しています。

 

日系エアラインだエケでなく、成田空港にはアメリカ系のデルタ航空がハブ空港として位置づけ、過去多くの路線を開設していました。

 

しかし、その地位が揺らいでいます。このまま成田からの撤退がさらに進めば、成田の存在意義にもかかわる可能性があります。

 

 

デルタ航空はアジアと北米を結ぶハブとして位置づけ

 

デルタ航空は、かつてのノースウェスト航空時代から北米とアジアを結ぶハブ空港として位置づけられ、多くの旅客を運んできました。

 

北米からアジアの諸都市を直行便で飛ぶためには、日本から以上にかなりの時間を要します。給油などの必要性もあることから、日本を経由していたわけです。

 

デルタ航空に搭乗した経験がある人は、目にしたことがあると思いますが、乗客のほとんどはアメリカ人が中心。日本人はほんのわずかしか乗っていないのが日常です。

 

また、アメリカからアジアから日本へ訪れるのではなく、アジア各地から北米各地、北米各地からアジア各地という乗客が多いのが特徴です。

 

これは成田空港の成長や利便性に大きく貢献しました。北米やアジアに多くの就航便を抱えることができました。また、成田を経由するだけの乗客でも、通過客として総旅客数にカウントされますから。

 

SPONSORED LINK

 

通過客が占める割合はかなり高い成田

 

2015年の統計では、成田の利用者数が3732万人ですが、通過客が502万人とかなりの数にのぼります。これは、同じ国際空港である関西空港と比べると歴然です。

 

2015年の関西空港の利用者数は、2321万人。利用者数はかなりの違いがあります。両空港とも国内線の利用者はほぼ同水準ですから、その差は国際線の利用者数ということになります。

 

しかし関西空港の通過客は20万人程度しかいません。これは、日本のエアラインやアメリカのエアラインなどどこも国際線のハブ空港として位置づけていないからです。

 

その差は500万人ほど。トランジット客を考慮しなければかなりの両空港の利用者数は近づきます。また、訪日旅客で潤う日本ですが、その外国人の旅客数は両空港は肉薄しています。

 

伸び率は成田より関空の方が多いので、このままでは外国人旅客数は関空は成田を超えるのも時間の問題かもしれません。

 

さらに、デルタ航空の撤退が加速すれば、さらに成田の地位低下は避けられないかもしれません。LCCの就航を期待する考えもありますが、制約の多い成田はLCCにとっては使いにくい空港。

 

決してコストは安いわけではないですからね。かつて就航していたエアアジアのCEOも成田の制約については、かなり怒っていましたしね。

 

成田の地位低下が進めば、こういう事態もありえるかもしれません。

関空に成田の背中が見えてきた!? 両空港の規模の違いや旅客数

 

デルタ航空が3路線の撤退を表明

 

デルタ航空は、今年行われた羽田空港の昼間時間帯の就航をめぐる日米航空交渉の際に、場合によっては成田からの撤退を示唆していました。

 

ただ、これは交渉を有利にしようという思惑もあり、半分脅しのように捉えていた感じもあります。確かに全面撤退ではなく、3路線の撤退のみ、しかもその1路線が関空線ということもあり、影響は小さいかもしれません。

 
米デルタ航空が成田空港の3路線廃止へ 採算が合わないとの判断 – ライブドアニュース

 

 

 

 

 

ただ、撤退するのがニューヨーク線とバンコク線という日本人がよく訪れる場所が選ばれており、日本人旅行客にとっては、ちょっと痛い撤退です。

 

バンコク線などは、現地を早朝に出発する利便性の悪さから、かなり格安な価格のチケットが市場に出ているのもよく目にしましたからね。

 

さらに、今後の事情によっては、さらに撤退が進む可能性があるからです。

 

 

羽田空港は都心上空の新ルートで発着数を増やす計画

 

現在騒音や米軍との関係から離発着数に制限が加えられる羽田空港ですが、都心上空を飛ぶ新ルートを取り入れる方針が固まっています。

 

新ルートは、国際線に割り当てられる予定で、さらに羽田空港の国際線の旅客数を伸ばす事になりそうです。成田も羽田も増えれば良いのですが、今までもそうでしたが、成田の便が羽田に移管するというのも珍しくありません。

 

利便性が高く、ビジネス需要も高い羽田は採算性が高く、どうしても成田より羽田が選ばれる傾向があります。その結果、さらに成田空港の地位低下もありえます。

 

少なくとも、現在でもそうですが利用者数の微増程度で精一杯で、利用者数が急伸しているアジアの国際空港との差は広がるばかりになるかもしれません。

 

デルタにとっても、羽田の増便次第では、成田の撤退ということもあるかもしれません。さらに中国の動向も無視できません。人口13億を抱える巨大な市場の中国は、アメリカの航空会社にとっても魅力的でしょう。

 

北京や上海などは現在発着数が逼迫していますが、巨大空港の新たな建設やさららなる拡張が予定されていますから。成田にとっては、今後の経営がかなり厳しくなると予想されます。

 

SPONSORED LINK

 

Sponsored Link

One Response to “デルタ航空の成田からの撤退が止まらない 国際線も羽田への流れ”

  1. […] デルタ航空の成田からの撤退が止まらない 国際線も羽田への流れ […]

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ